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スラド mainpage Firehose Stories : 07/05/2022 03:18
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1. KDDIの通信障害、5日の夕刻に復旧の判断。電気通信事業法の重大事故に認定は確実
2日午前1時35分から発生していたKDDIの通信障害に関しては、62時間以上が経過した4日午後4時時点でほぼ回復したと発表がおこなわれた。同社の吉村和幸専務は「現時点において音声通話とデータ通信はほぼ復旧している」とし、サービスの利用状況を確認したうえで、5日の夕刻に全面的な復旧の判断をおこないたいとしている。なお現段階で、音声通話およびデータ通信が繋がりにくい場合、電話機の電源を入れ直すなどの対応を試すよう呼びかけている(NHK、TBS NEWS DIG)。
KDDIの通信障害に関して総務省は、昨年のドコモ障害より影響が大きいとして行政指導などを検討する見通し。電気通信事業法では、警察・消防への緊急通報の音声通話に「3万人に1時間以上」の影響が出た場合、重大事故に該当する。総務省に30日以内に詳細な報告をすることが義務付けられている(産経新聞)。
今回の障害では最大約3915万回線に影響。IoT回線も最大約150万に上った(毎日新聞、ZDNet)。同社は約26万の法人顧客を抱えており、通信状況の混乱により、すでに報告があるように、気象庁の地域気象観測システム「アメダス」に影響が及んだほか、ATMの引き落としや宅配業務などの配達、集荷指示遅れやデータステータスの更新の停止などに影響が出た(時事ドットコム、毎日新聞、沖縄タイムス)。このほかSMSを使った2段階認証などにも影響が発生して各種サービスが利用できない、スポーツなどのイベントでチケットの発券ができない事例なども報じられている(TBS NEWS DIG、iPhone Mania)。 >>
2. シンガポールの下水処理水を使用したビール、世界で話題に
headless 曰く、シンガポールのビール「NEWBrew」が世界的な話題になっている
(製品情報、
FOODBEAST の記事、
The Guardian の記事、
Bloombergの記事)。
NEWBrew と普通のビールの違いは、下水を処理した飲用水「NEWater」を原料に使用する点だ。シンガポールでは飲用水の大部分をマレーシアから輸入する一方で、下水を処理して上水・中水として再利用している。NEWater はシンガポール水道庁 (PUB) が 2003 年に一般向けの供給を開始したもので、精密ろ過膜と限外ろ過膜、逆浸透膜でろ過したのち、紫外線により殺菌を行っており、雑味のない味が特徴だ。
2018 年にシンガポール国際水週間 (SIWW) でデビューした NEWBrew は PUB とのコラボレーションで開発されたもので、初の一般販売となる 2022 年版はドイツのプレミアムモルトやシトラホップとカリプソホップ、ノルウェーの kveik 酵母を用いたトロピカルブロンドエール。4 月の SIWW 2022 で提供されたほか、現在はスーパーマーケットなどで購入可能だが、6 月末になって各国のニュースメディアで取り上げられて世界的な話題になったようだ。 >>
3. 四足歩行ロボットを林業に活用する実験。森林総研とソフトバンク
茨城県つくば市にある森林総合研究所とソフトバンクは6月28日、四足歩行ロボットの林業への導入を探る目的の実証実験を報道陣に公開した。同研究所と同社は2021年度から、電動四足歩行ロボットの歩行能力についての実証実験をおこなってきた(茨城新聞)。
この日おこなわれた実験は、ボストンダイナミクス製の四足歩行ロボット「SPOT」を用いたもので、手動と自動操作の両方で斜面での荷運びの実験を行っている。国内林業は、高齢化や負担の重さが課題となっていることから、森林総研とソフトバンクは、苗木や防鹿柵の運搬、森林の各調査計測などをロボットに代替させたいと考えているという。 >>
4. M87銀河の中心の電波観測データを独立に再解析。発表と異なる構造に
国立天文台は6月30日、国際共同研究プロジェクト「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)」で、史上初めてブラックホールの輪郭の撮影に成功したとされる楕円銀河M87の中心の観測データを独自に再解析した結果、話題になったドーナツ型ではなく、ブラックホール本体があるとみられる「コア構造」と高速のジェットが噴き出す構造を持つという異なる結果が得られたと発表した。国立天文台は、以前公表されたリング状の画像については「おそらく間違い」であるとと指摘している(国立天文台、時事ドットコム、TBS NEWS DIG)。
原因としては、EHTの観測は参加した望遠鏡が少なく、約40マイクロ秒角の構造を再現するために必要なデータが、ほかのきさの構造に対応するデータに比べて少なくなってしまったことから、リング状の構造ができてしまったのではないかとしている。
tori_sanpo 曰く、国立天文台などの研究者が独自に解析したところ、話題になったドーナツ型ではなく、「コア構造」と「ノット構造」を持つという別な結果が得られました。 国立天文台のコメント「(EHTによる)観測データや解析手法を公開して、研究者の間で広く検討と議論を進めることで、より確からしい結果に近づけるという現代科学の研究プロセスの一環です」 >>
5. 公取委、ソフトウェア業の下請取引や中抜き問題を指摘する報告書を公表
公正取引委員会は6月29日、「ソフトウェア業の下請取引等に関する実態調査報告書[PDF]」を公開した。この報告書はソフトウエア開発における下請け企業と発注元との取引に関する調査をまとめたもので、資本金3億円以下のソフトウェア業2万1000社を対象としたアンケート調査、関係事業者・団体に対するヒアリング調査などが元となっている(公正取引委員会、日経新聞)。
調査では、自社では作業しないにもかかわらず利益を得る「中抜き」の存在を25%の下請けが認識。中抜きをする企業が、下請けが何層にも連なる「多重下請け構造」を悪化させ、独占禁止法違反行為を助長する恐れがあると指摘した。
報告書では、買いたたきや仕様変更への無償対応要求といった違反行為の存在が懸念されるほか、顧客、元請・下請間の契約内容が必ずしも明確でないこと、「中抜き」事業者の存在を含む複雑な取引関係の結果、下請法違反行為が多く発生しているといった指摘もおこなわれている。
あるAnonymous Coward 曰く、 1月の結果をまとめたもの?概要を見た感じ、多重下請け構造下で買いたたき・減額・支払遅延といった違反行為が連鎖しているとか、ソフトウェアという特性上不当なやり直しが横行とか、多くの事業者が不必要な中抜きの存在を感じているとかが問題視されており、今後立ち入り調査などを進めていくとしている。 >>
6. Meta、デジタルワレット Novi 終了へ
headless 曰く、Meta がデジタルワレット Novi を 9 月 1 日で終了するとアナウンスしている
(公式サイト、
サービス終了に関するヘルプ記事、
The Verge の記事、
Bloomberg の記事)。
Novi は 2019 年に Facebook (現 Meta) が中心となって推進する暗号通貨 Libra に対応するデジタルワレット Calibra として発表された。名称は 2020 年に Novi へ変更されており、Libra も同年 Diem へ名称変更された。Meta が暗号通貨を主導することに各国政府等は強い懸念を示しており、昨年 10 月に米国とグアテマラで開始した小規模な Novi のパイロットプログラムではステーブルコイン USDP を使用している。
Novi は 9 月 1 日の終了に向け、残高がある場合はなるべく早く引き出すよう促している。今後は 7 月 21 日以降残高を追加できなくなり、9 月 1 日時点での残高はアカウントに追加した銀行口座やデビットカードに送金されるとのこと。Diem も軌道に乗ることはなく関連資産を金融会社に売却しており、Novi の終了により Meta の暗号通貨プロジェクトはすべて終了することになる。 >>
7. 千葉火力発電所で火災、50万キロワットの発電に影響。原発の再稼働への圧力強まる
ウクライナ情勢の影響によるエネルギー事情の激変から、ガソリン価格や電気代が急上昇している。異例の猛暑も続いたことから、経済界からは政府に対して原発の再稼働を求める声が強まっている(時事ドットコム)。また2日は千葉市のJERA千葉火力発電所で火災が発生、3号機の一部が停止し、50万キロワットの発電ができなくなっている。30日午前3時に停止した福島県の勿来火力発電所9号機に続くトラブルが起きている(JERA、TBS NEWS DIG、読売テレビ)。
岸田総理は28日、G7サミットの閉幕を受けて記者会見を行い、その際「原子力を活用する」と説明、「審査の迅速化を着実に実施していく」と述べた。また最近の気温上昇を踏まえ「熱中症の懸念もある。無理な節電をせず、クーラーを上手に使って乗り越えてほしい」とする発言もしている。岸田総理の原子力を活用するという発言自体は以前からおこなわれていた。また6月に閣議決定した骨太の方針でも原発活用の推進に一歩踏み込んだ内容を盛り込んでいる。一方で広島出身の総理という事情などから再稼働に実は積極的ではないとの見方も強かった。今回、原子力発電所の再稼働について「審査の迅速化を着実に実施していく」とし再稼働に関して一歩踏み込んだ発言をしている。
一方で実際の再稼働には時間がかかるとみられることから、大企業などを対象に冬に向けての電気使用制限などの動きも見られている。 >>
8. サーバーの排熱でウナギを育てる、北海道美唄市
大元の記事は少し古いようだが、雪解け水を使って冷却している北海道のデータセンターが、その廃熱を利用してウナギの養殖を始めているという。この試みをおこなっているのは北海道美唄市の空知工業団地に立つホワイトデータセンター(WDC)で、市内の道路除雪で集まった雪の山を利用してサーバーの冷却をしているそうだ。2月からは、1700尾のウナギの稚魚を空輸し、データセンター内の水槽で養殖しているという。データセンターの冷却に使われた後の水の温度は33℃と、ウナギの養殖に最適な温度になっているらしい(日経新聞、Data Center Café)。
pongchang 曰く、雪で冷やすのだが、それでも熱は余る。 >>